あなたに会えて ほんとうによかった #FUJIFILM生誕祭
父は、写真が嫌いでした。
「撮られると、魂が抜かれる」が口癖。
今では嘘のような、不思議な、この迷信。知っている人は少ないのでは?
そんな家庭だったので、家族で写真を撮った思い出が、自分にはあまりありません。
………そんな自分にある日、家族同然の存在ができました。
ひょうんなきっかけではじめたルームシェア。最初は「フィルム撮影の練習台になってもらおう」ぐらいの気持ちだったのですが。
使ったフィルムが良すぎた。今では廃盤になった SUPERIA Venus 800。このフィルムの不思議なぬくもりに惹かれて。
どれもいい写真かといえば全くそんなことはなく。
平凡な写真、ピントや露出もあまあま。
けれど、自分の中では撮れただけで感激ものだったりして。
一枚一枚が “出来の悪い、でもかけがえのない思い出” って感じで。
しっかりピントが来てない何てことない日常。撮り直しがきかない環境で生まれた少し変わった写真。
でもそれが楽しいのは、きっとこのフィルム色の思い出を気に入ってるから。
これからもこの体温のあるフィルム色を楽しみながら、ゆっくり撮り続けていきたいなと思います。
あなたに会えて ほんとうによかった。